ベリンダ・カーライルを観に行った。

待つこと実に30年、念願叶ってやっとライブに行くことができた。

 

タイトルは「ザ・ヘヴン 30周年記念ツアー」とある。

 

ベリンダ・カーライルと言えば、やはり代表曲はあの「ヘヴン・イズ・ア・プレイス・オン・アース」だろう。

 

テレビCMで一躍有名になった曲。今更訳すまでも無いが「天国は地上にある」という意味である。

 

(うぉ〜、めっちゃええこと言うやん、この人!)

 

と当時も今もさほど関西弁を話しているわけではないが気合いを入れてそう思った。

 

学生の頃はもちろんのこと、今でもカラオケでつい歌ってしまうほどお気に入りの歌だ。

 

コンサートの告知に使われている写真が当時のものだったのでより懐かしさでいっぱいになる。

 

ただ30年というとやっぱりあまりにも大昔。最近お仕事をご一緒する方々は、まだ生まれていない。

 

なんとなくというか、かなり予習の必要性を感じた。

 

何事も期待値管理が重要、あの時と今のギャップを知るべくユーチューブで過去の歌をチェック。

 

我ながら準備に余念がないと感心しながら、最近行われたらしいライブ動画を目にした。

 

あれ?歌い方がかなり違う。やはり年月を経たせいだろうか。独特な「ベリンダ節」を感じる。

 

多少変わったとしても無理もない。あれから30年も経つのだ。

 

懐かしく感じながら「サマー・レイン」や「Leave A Light On / 輝きのままで」をヘビロテで聴く。

 

そして歌詞も和訳と共に振り返る。

 

(そういう意味だったのかぁ!)と幼き頃には理解できなかった「大人の事情」も腑に落ちた。

 

歌詞のみならず関連情報も入念にチェック。

 

なんと彼女の旦那様は「ヘヴン・イズ・ア・プレイス・オン・アース」の出ていた男性だという事実を知る。

 

凄まじくツインソウルなおふたりが素直にうらやまし過ぎる。

 

いよいよ当日。ワクワクしながら「ノアの箱船」のカタチをしたコンサートホールに向かった。

 

シンガポールは日本に比べて圧倒的にコンサートチケットが取りやすい。

 

発売日からしばらく経っても良い席がゲットできた。とはいえ今日は満員御礼だった。

 

ベリンダ・カーライル登場!黒いシースルーのシャツに黒のパンツ。キレイなブロンドが際立つ。

 

とってもチャーミングで全盛期の写真とほとんど変わっていない。何よりキラキラ輝いている!

 

ずっと会いたかった人にやっと会えた感じですご〜くスッキリした。

 

彼の息子ほどの年齢に違いない青年達も今風の踊り方でノリノリだった。

 

「私のお気に入りの曲を歌います。」と歌われたのが「サマー・レイン」だった。

 

(全部、懐かしい〜)

 

記憶の彼方で忘れかけていた歌も歌われた。

 

そういえば「ザ・セイム・ティング」も良い曲だったなぁと胸がときめく。

 

そしてとうとうあの名曲「ヘヴン・イズ・ア・プレイス・オン・アース」の番が!

 

観衆にマイクを向けるベリンダ。それに応えるよう声をあげて歌う観衆。

 

ここであの「ベリンダ節」炸裂。あれはファンに合わせてそうなっていたのかとようやくわかった。

 

最後まで「『ランナウェイ・ホーシズ』歌って!」と叫ぶファン。結局歌われることはなかった。

 

帰り際、会場を後にする別の人達も「『ランナウェイ・ホーシズ』は歌われなかったね」と口にしていた。

 

それぞれの国で「聴きたい曲」は違うかもしれない。予めアンケートを取ったら良いのにと思った。

 

身近な人達を送ることが増えたせいだろうか、何かにつけて「もうこれで最後かもしれない」と思う。

 

それは決して悲観的な意味ではない。私たちは誰もが一時的に地球を訪れる「旅人」だからだ。

 

生まれた瞬間、同時に「いつか」はわからない「旅立ちの日」に向かっている。

 

それを日々、意識している。そしてその意識は日々色濃くなる。

 

ベリンダ・カーライル。年上の女性にこういうのもなんだが、まだまだかわいらしさいっぱいの彼女。

 

近々再びツアーをしてくれると信じたい。

 

とうとう楽しみにしていたコンサートが終わってしまった。

 

寂しいというより彼女の歌に最初に出会った頃と同じようなすがすがしい気持ちになった。

 

心が浄化された。

 

(また観に行きたい!今度こそ「ランナウェイ・ホーシズ」を生で聴けたら良いなぁ。)

 

全体的に男女の関係を歌った歌が多かった。というかそれ以外はなかったかもしれない。

 

そのせいだろうか、もっというとベリンダのツインソウル引き寄せにあやかりたいと思えた。

 

なんとなく「希望」がわいた。そこに彼女の人気の秘訣を見たような気がしながら帰路についた。