「最近、婚活はどうしているの?」という問いについて

先日東京で再会したコーチ仲間に「モーニングページが一番良いよ~!」と言われたのをふと思い出した。朝起きたら心の中にあることを洗いざらい全部書くというアレである。

 


ただ私はなんでも自分流にアレンジするのが好きなのだ。今は夜なので「ナイトページ」だし「自分のためだけに書くモーニングページ」とは対照的ではあるが、せっかくアウトプットするならブログにしようと思い立った。


先週土曜日は疲れがたまっていたので寝だめをした。ぐったりしていたけれど、夕方頃慌てて起きだし、同窓会へ行く準備をした。

 


廊下に出ると、なんと同じフロアのご年配の女性が床に座り込んでいる。

 


彼女は以前朗らかに中国の方言で話しかけて下さったことがある。でも私は方言を理解できないので、なんとなくニコッと挨拶をしてその時は終わっていた。

 


その彼女が驚きの表情で床に座っている。状況から察するに、ゴミを出しにドアを開け、一歩足を踏み出した瞬間、雨で濡れた床で転んだようだ。

 


非常にショックを受け、呆然としておられたため、私は手を差し伸べた。雨で濡れている床は一部分だけなので、少しだけそこから離れてもらった。

 


なんとか踏ん張って起き上がってもらったところ、気を取り直され、小声で「サンキュー」と言ってお部屋に戻られた。

 


彼女も私と同じで一人で住んでいるのだろう。私が通りがからなかったら彼女はずっとあのまま座り込んでいたのだろうか。

 


ほんの数分のできごとに、なぜか私もショックを受けつつ、興奮冷めやらずの状態で同窓会に向かった。

 


土曜日の夜、行きつけのPIXYでディナーを頂く。中高大の同窓会で先輩、後輩の皆様とお話していると懐かしさがこみ上げる。

 


ご結婚なさっておられる方もいらっしゃればそうでない方もおられる。ご家族の話、近況などで盛り上がる。

 


日本の有名フランス料理店のシェフによるおススメメニューが美味しくて時間があっという間に過ぎてしまった。

 


色々なことを思いながら気が付けば、プロセッコ、白ワイン、赤ワイン2杯も飲んでいた。

 


「お酒強いですね」と言われ、ふと20代の後半の頃を思い出した。シンガポールに来てまだ間もない頃だった。

 


私だけ女子という状況が多かったのでどうしてもお酒に強いふりがしたかった。なめられたくなかった。

 


一通り食べた後に自ら指を喉に突っ込んで全部吐くことを覚えた私は、その後もまたひたすら飲んでいたことを思い出した。

 


今思うと本当に若かったなぁと感心する。今はどうだろう。一度食べたものは勿体無さ過ぎて絶対に吐かないと決めている。

 


人は年齢を重ねるにつれて自立を強いられ、どんどん強くなっていく。そして大抵のことは一人でできるようになる。

 


いつの間にか段々と肉体的にも精神的にも何とかちょうど良いところで手をうてる器用さも身に付けていくのだ。

 


「最近、婚活はどうしているの?」と問われた結果、私はこう答えた。

 


「一通り婚活について考え精神世界を駆け巡った後、突き詰めて考えると私にとって重要な価値観は『人に迷惑をかけないこと』だとわかったんですけど、そのために大抵のことはお金で解決できるので、猛烈にお金を稼ぐことにしました。」

 


こう話すとみんな爆笑する。一見矛盾しているかのようで滑稽な話だが、これが独身女性のリアルな実情なのだ。

 


諸先輩から「結婚はしなくて良いけどパートナーはいた方が良いよ」とアドバイスを受けたこともある。

 


確かに転んだ時や病気をした時にひとりぼっちだと人恋しくなりそうだし、心の拠り所があるだけでも人生は豊かになりそうな気はする。

 


「お付き合いはするけれどお財布は別の方が良いよ」という意見もある。確かに女性の方が稼ぎがある場合、離婚すると持っていかれるらしい。

 


そしてそういった諸々を総合的にまとめると、一人でいる時が普通に楽しいので、結局好きな人と好きな時に好きな場所で適宜会えれば良いという結論に至った。

 


一生涯を共にすることを誓う結婚は私には荷が重すぎる。毎日お互いが想いを交わすことを確認し「今日もなんか続いたね」と更新できたことを祝えれば、それで十分な気がする。