21世紀に提唱したい「オーバーフロー理論」とは

ビジネスにおける関係性を説く上で、巷でよく耳にする言葉がある。それは「ギブアンドテイク」であったり「ウィン-ウィン」だ。

 

実際私もよく使っていたのだが、気が付けば徐々に違和感を覚えるようになってしまった。

 

例えば「ギブアンドテイク」について。これは至極、最もな表現に間違いない。

 

「ギブ」するから当然「テイク」をする。当たり前に聞こえる。

 

でも実際には「ギブ」「ギブ」「ギブ」がいっぱいあってからの「テイク」らしい。

 

ただある時私は気付いてしまった。ミッション系の学校に通っている頃から、寄付をしたりボランティアをし続けているせいだろうか。

 

私は時間もお金もつい「ギブし過ぎる」傾向に陥りやすいことがわかった。

 

ふと周りの女子達を見てもそうだった。「人類愛」「慈悲深さ」に目覚めれば目覚めるほど、同じような傾向にある。

 

「困った人を助けたい。」「喜ぶ顔が見たい。」だからかかる経費は自分で負担してでも無償でサービスを行う。

 

結果、どうなるかというと、いつのまにかお金が減ってしまい「自分の身を削るような感覚」になり、健康を害してしまう人も出てくるのだ。

 

では「ウィン-ウィン」はどうだろう。これなら関係者がみんな恩恵を受けるイメージがわきやすいだろうか。

 

「ウィン=勝つ」のは良いことだ。ただ「勝ち組」を明確にした時点で同時に裏側には「負け組」が存在してしまう。

 

勝った方は良いとして負けた人はどうなるのか。

 

「どこにでも競争原理は働くのだから、地上に桃源郷を求める方が理想主義的ではないか。」

 

そんな声も聞こえてくるかもしれない。それでも直感的に何かもっとしっくりくる言葉があるはずだという想いが募った。

 

しぶとい私はひそかに探求を続けた。そしてようやく浮かんできた言葉があった。

 

それが「オーバーフロー理論」である。最近はこの言葉が好きで、よく使っている。

 

なぜ「あふれ出る」なのか。今、まさに地上から湧き出る水を想像して欲しい。

 

そんな風にそれぞれの人からその人が「好き、得意とすること」があふれているとする。

 

みんなはその「好き、得意とすること」を徹底してやり続けて、もっともっとあふれさせる。とことんまで余らせる。

 

すると自分も周りも使いきれないほど余ってくるので、あとはもう共有するしかなくなってくるのだ。

 

手前味噌ながら、私自身の事例に置き換えて説明したい。この仮説をもとに実証実験を行った結果これに気付いたのだ。

 

小学校の卒業文書に書いた将来の夢。それは「通訳かレポーター」だった。

 

めぐりめぐって最終的にこの好き、得意な通訳の仕事を本業にした。

 

やればやるほど楽しくなり、通訳を極めたくて英検1級に合格、同時通訳者にもなった。

 

抗うことなく徹底して道を突き進んだ途端、多方面からお声がけを頂き、自分だけでこなせなくなってきたので、周りの通訳者にもお仕事をシェアできる状況が出てきた。

 

最近では通訳のお仕事を通して出会った方に「レポーターをやるのが夢だったんです」とお伝えしたところ、貴重な機会を頂き、もう1つの夢も叶った。

 

彼はベストセラー作家でレイクサイド多摩FMでラジオ番組をお持ちの稲村徹也氏。

 

経営者の彼もまた「好き、得意」を大いにあふれさせ、ご自身のみならず多くの方の夢を叶え続け成功している。

 

いつのまにか周りにはそんな風に「好き、得意があふれ出ている人」ばかりになって、毎日、豊かさが循環している。