アジアで英語が飛躍的に話せるようになるためのたった1つの心得
世界的に見てもアジアの成長は著しい。特にシンガポールにいるとそれを肌で感じる。
シンガポールは特に治安や税制面で優遇されているため、名だたる大企業がアジア統括事務所を設立している。
先日もアジア太平洋地域のミーティングに同時通訳者として参加させて頂く貴重な機会を頂いた。
参加者は10ヶ国から参加しているが共通言語は英語である。
ただ一口に英語と言ってもこの地域で話されている英語には独特な特長がある。
この10ヶ国の参加者もオーストラリアやニュージーランドを除いて英語を第二外国語として話しているのだ。
シンガポールは中華系、マレー系、インド系という人種で構成されており、家族とは福建語、広東語、マレー語、ヒンズー語で話していることが多い。
よって、英語を第二外国語として話す場合、英語を母国語として話している方達とは異なるコミュニケーション方法が必要となる。
これさえ体得すればアジアにおいて英語力は飛躍的に伸びる。
それはずばり「空気を読まないこと」である。
コミュニケーション図る際に空気を読んでしまったが最後、欲しい答えにたどり着けないこともある。
日本ではわざわざ知っていることを口に出すのは冗長だと思われる。
そもそも同じことが当たり前の国なので、わかっていることはとばす。
しかし、海外で同じ方法でコミュニケーションをするとなかなかうまくいかない。
なぜかというと「これは当然わかっているはず」と思われることが実際にはわかられていないことがほとんどだからだ。
わかりやすい例を挙げよう。
先日、ミャンマーのホテルで朝食のビュッフェを頂いていた。
前日の様子からランチは単品で注文する雰囲気だったのでミャンマー人のスタッフに英語で質問した。
「ランチは何時からですか?」
「10:30までです。」
意表を突かれるが、私の質問の仕方がまずかったなと即座に反省した。
正直、私の質問は間違っていないし明白だ。
ただ自分が欲しい回答が得られない場合、自分のコミュニケーション方法を改善するしかない。
代わりに私はこう話した。
「この朝食ビュッフェは10:30に終わりますね?」
「はい」
「その後、ランチの単品は何時から頼めますか?」
「12:00からです。」
「ありがとう。」
という流れで話は終わった。
第二外国語として英語を話している以上、英語力にはバラツキがある。
だから、まず私が質問したい内容について、日本だったら「空気」と扱われ、わざわざ口にしないことも敢えて口にするのだ。
毎日わかりきっているルーチン作業を指差し確認するような感覚に近いかもしれない。
そこでまず最初に「共通理解」という土台を作る。
それはお互いの中に「安心感」を生みだす効果もある。
日本人同士でも初対面の場合、セミナーでは「共通点探し」から始めたりする。
この「空気の言語化」はそれを最速最短で行なっているようなものだ。
空気は言語化するまで全く異なるものだというぐらいに思っている方が良いだろう。
どれくらい違うかというと食文化ぐらい違うのではないか。
お刺身を見ると日本人は「おいしい♡」という人が大半で、海外でもファンが増えているものの「お腹壊すから絶対に無理」という人も大勢いる。
シンガポールでも、中華系はビーフを避ける人が多く、マレー系はポークがダメで、インド系はベジタリアンという具合に様々だ。
英語をそれなりに勉強していた私は、当地に来たばかりの頃は(なんで私の英語は伝わらないの?)と悩ましいことも多かった。
でも今となっては、どんどん質問をしてその空気の違いを知っていくのが楽しくて仕方がない。