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「引き寄せの女王」と呼ばれて パート2

前回「引き寄せの法則」でThe Alfeeのコンサートの最前列をゲットした件について書いたので今回はその続き。シンガポールのアンソニー・ロビンズと自ら語るアダム・クー氏の「パターンズ・オブ・エクセレンス」で「Law of Attraction(引き寄せの法則)」を学んだ私は、その場で自分の引き寄せ体験をみんなの前でシェアする機会を得た。

 

「今日、学んだ引き寄せの法則について、思い返せば、私は以前、日本で人気のあるバンドのコンサートチケットをこの方法で当てたことがありました!」そんな私の話を聞いていた同じく受講生のシンガポール人女性は心の中でこうつぶやいたそうだ。(ゆみにできることなら私にもできる!)まさしく彼女の信念が書き換わった瞬間だった。

 

それから数週間後、私は彼女に呼び出された。「ゆみ、すごいことがあったのよ、お礼にご飯をおごるわ!」彼女との再会を楽しみにして待ち合わせ場所に行くと、出会ってすぐにこう話してくれた。「信じられる?ゆみがコンサートチケットを引き寄せた話をしてくれたでしょ?あの後私にもできる!と思ってすぐに応募したら、なんとナショナルデイパレードのチケットが2枚当たったのよ、初めて!」それは年に一度国をあげて行われるシンガポールのイベントで、その人気度の高さから入手するのは簡単ではなかった。彼女の驚きぶりを見て本当に嬉しかったし、自分の体験をシェアしてこんなに喜んでもらえるならもっと話したい、伝えなくちゃと思った。

 

どうやら「引き寄せの法則」には効き目がありそうだ。とはいえ、これは再現可能なのだろうか。ひょっとしたらアルフィーの件はたまたまだったのかもしれない。そんなことを思っていた矢先、シンガポールでは初のF1レースの開催が決まり島中が期待感にあふれていた。それも普段、日常的に利用されている中心地の道路が閉鎖されてナイトレースが行われるのだという。正直、全くF1に興味がなかった私は、道路が閉鎖されると通勤に差し支えるので困るな、大丈夫かなというぐらいにしか考えていなかったので、チケットも当然購入していなかった。

 

いよいよF1レースが始まった夜、オフィスで残業していると「ブーン、ブーン」とレーシングカーが仮設サーキットを走る音が聞こえてきた。高層ビルの窓越しとはいえ、爆音は結構な迫力で胸に迫り来るものがある。残業も早々に切り上げて職場の人達と近くまで観に行った。耳をつんざくほどの爆音に鼓動が高鳴る。前代未聞の光景にドキドキするが、レーシングカーはちょうどいい具合にレースのためだけに取り付けられたフェンスを支える土台で隠されていて見えなかった。

 

あの状況では誰もがにわかファンになってもおかしくないだろう。我々も例に漏れず早速チケットを探した。既にほぼ売り切れで1枚600シンガポールドル、日本円に換算すると約48,000円のチケットしかなかった。さすがににわかファンにとっては高額だったため泣く泣く諦めて帰路に着いた。

 

家に帰るとテレビではF1レースの中継が流れていた。さっきまでフェンス越しで見えなくてもどかしい思いをさせたこのレーシングカーからあの爆音が聞こえていたのかと思うと感慨深かった。その夜はベッドの上で(やっぱりF1に行きたかったなぁ。でも、今年はテレビ越しではあったけれど一応「見て、聞いて、感じる」ことができたから良かったかな。満足してもう寝ます、感謝します。)と思いながら眠りについた。

 

翌朝、職場の方から電話があり、引き続きF1のチケットを探しに行くという。もし見つかったら是非行きたいという旨を伝えながらも、昨晩の興奮気味の観客の多さを思うとチケットの入手はまず無理だろうと諦めていた。あまり期待せずに適当にお昼を済ませておいたところ、午後になって再び連絡があった。なんとチケットが手に入ったというのだ。

 

午前中、どこへ行ってもチケットが見つからず、意気消沈気味でいつものレストランに入った。ランチをしていると顔なじみのウェイターに話しかけられたそうだ。「大丈夫ですか、どうしてそんなに元気がないんですか?」「F1のチケットが欲しいのにどこに行っても見つからなくて残念に思っていて。」「そうだったんですね、ちょっと待っていてください」と言って奥に消えたウェイターは、再び現れてこう言ったそうだ。「オーナーがブライベートバンカーから3晩連続でペアチケットを頂いているのですが、中日はどうしても誰も都合がつかなくて余っているので差し上げます」と。

 

もう諦めていたF1に行けるというので大喜び、急に元気になった私は現場に行ってさらに驚いた。なんとそのチケットは1枚の価格が5000シンガポールドル、日本円に換算すると40万円相当のプラチナチケットだったのだ!この3日間のためだけに建てられた特設会場の中でエアコンで涼みながら飲み放題食べ放題ができるというそれは贅沢なものだった。昨日までテレビで観ていたカラフルなレーシングカーが猛スピードで目の前のカーブを走っている。「ブーン、ブーン」以外に「カチャン、カチャン」という音もするんだぁと感動したのを今でもリアルに思い出せるほどだ。

 

この強烈に印象深い体験で私は確信した。「引き寄せの法則」は本当に存在するのだと。

 

続く